誰かのためのジタバタ
夕方の低い日差しを避けるカーテンで黄金色のリビング。エアコンをつけて、ジャズを聞きながらハイボール。家族はみんな出かけてるし。
何十年も前に去った知り合いの事を思い出します。
その当時の彼の心の中は、もしかしたら、はち切れんばかりの恐怖とか不安とか。そして何もなくなる世界への好奇心。
僕は若かった。今思えば全く彼に寄り添ってあげられてなかったと思う。
今ならもう少しなんとかできた気がする。少なくともジタバタすることが出来た。それが彼にとって良いことだったかどうかはわからないけど。
地球の生き物の中で唯一人間にだけあると聞くタナトス。彼はタナトスの誘惑について行ってしまった。何もない世界へ行ってしまいました。。。
本当に僕は無力だった。
彼に思いを馳せながら…
また、馬鹿話して盛り上がりたいよ…
君にしてあげられなかったジタバタは、きっと誰かのために。
僕に出来る事を誰かのために。